mgudn's

髷であり曲げでもある。

【将棋】 電王戦出場棋士 出場前後の成績

 

 電王戦が団体戦で行われる様になってから出場した棋士の成績を調べてみた。

 注 2015年度は 3月16日終了時の記録 他は4月1日~3月31日まで

   年度の横の〇印が電王戦出場時 全員3月中に対戦したとみなして集計

 

 年度    棋士名         順位戦成績  主な成績

 2012 阿部 光瑠 39 25 14 0.6410 4-6 朝日8

〇2013 阿部 光瑠 38 23 15 0.6053 6-4

 2014 阿部 光瑠 50 34 16 0.6800 7-3 新人王戦 優勝  竜 5組昇級

 2015 阿部 光瑠 45 28 17 0.6222 4-6 王位リーグ 銀河16

 通 算  阿部 光瑠 172 110 62 0.6395 

 

 2012 佐藤 慎一 33 18 15 0.5455 6-4

〇2013 佐藤 慎一 31 14 17 0.4516 5-5

 2014 佐藤 慎一 32 17 15 0.5313 5-5

 2015 佐藤 慎一 34 20 14 0.5882 7-3

 通 算  佐藤 慎一 197 103 94 0.5228

 

 2012 船江 恒平 44 32 12 0.7273 10-0 昇級 C1へ

〇2013 船江 恒平 44 27 17 0.6136 5-5 王位リーグ

 2014 船江 恒平 39 22 17 0.5641 7-3 リベンジマッチ出場 棋聖16

 2015 船江 恒平 26 15 11 0.5769 7-3

 通 算  船江 恒平 166 106 60 0.6386

 

 2012 塚田 泰明 28 12 16 0.4286 7-3

〇2013 塚田 泰明 25 12 13 0.4800 6-4

 2014 塚田 泰明 27 12 15 0.4444 3-7

 2015 塚田 泰明 33 16 17 0.4848 2-8降級点

 通 算  塚田 泰明 1243 682 561 0.5487

 

 2012 三浦 弘行 44 23 21 0.5227 5-4 王座8 棋王8 王将リ 

〇2013 三浦 弘行 32 18 14 0.5625 7-2 王座16 王将リ NHK

 2014 三浦 弘行 36 17 19 0.4722 4-5 棋王戦挑戦 

                        竜 1組昇級 朝日8 NHK

 2015 三浦 弘行 40 23 17 0.5750 3-6 降級 B1へ 

                        棋王8 王将リ 朝日8

 通 算  三浦 弘行 895 527 368 0.5888

 

 2013 菅井 竜也 41 28 13 0.6829 9-1 昇級 C1へ 朝日2

〇2014 菅井 竜也 39 29 10 0.7436 8-2 竜 4組昇級 棋聖

 2015 菅井 竜也 49 39 10 0.7959 9-1 昇級 B2へ  王位リーグ NHK

 通 算  菅井 竜也 220 164 56 0.7455

 

 2013 佐藤 紳哉 35 19 16 0.5429 6-4

〇2014 佐藤 紳哉 30 15 15 0.5000 5-5 竜 3組降級

 2015 佐藤 紳哉 27 16 11 0.5926 6-4 王座戦ベスト16

 通 算  佐藤 紳哉 609 353 256 0.5796

 

 2013 豊島 将之 48 35 13 0.7292 9-1 昇級 B1へ 王将リ

〇2014 豊島 将之 49 35 14 0.7143 9-3 王位リーグ 朝日4 王将リ

 2015 豊島 将之 53 32 21 0.6038 6-6 王座戦挑戦 朝日4

                         竜 1組昇級 王将リ

 通 算  豊島 将之 403 285 118 0.7072

 

 2013 森下 卓 28 14 14 0.5000 5-5

〇2014 森下 卓 31 18 13 0.5806 6-4 王位戦リーグ入り

 2015 森下 卓 35 15 20 0.4286 3-7 リベンジマッチ出場

 通 算  森下 卓 1452 873 578 0.6017 

 

 2013 屋敷 伸之 36 23 13 0.6389 5-4 王座8 棋王8 銀河4 NHK

〇2014 屋敷 伸之 33 18 15 0.5455 3-6 降級 B1へ 

                        王座8 棋王8 朝日8 NHK8

 2015 屋敷 伸之 39 20 19 0.5128 8-4 昇級 Aへ 王将リ

                        竜 1組昇級 王座16

 通 算  屋敷 伸之 1145 719 426 0.6279

 

 2014 斎藤 慎太郎 35 21 14 0.6000 7-3

〇2015 斎藤 慎太郎 39 25 14 0.6410 6-4

 通 算  斎藤 慎太郎 110 73 37 0.6636 

 

 2014 永瀬 拓矢 51 38 13 0.7451 8-2 棋王戦挑戦者決定戦

〇2015 永瀬 拓矢 36 22 14 0.6111 6-4 王座16 棋王8 銀河16

 通 算  永瀬 拓矢 234 164 70 0.7009

 

 2014 稲葉 陽 34 24 10 0.7059 6-4 銀河戦優勝 棋聖

〇2015 稲葉 陽 34 24 10 0.7059 9-1 昇級 B1へ 

                       竜王戦 2組昇級 朝日8

 通 算  稲葉 陽 278 193 85 0.6942

 

 2014 村山 慈明 43 33 10 0.7674 9-1 昇級 B1へ 棋聖2 朝日8

〇2015 村山 慈明 28 14 14 0.5000 6-6 王座戦ベスト16

 通 算  村山 慈明 447 292 155 0.6532

 

 2014 阿久津 主税 30 19 11 0.6333 9-3 昇級 Aへ

〇2015 阿久津 主税 29 12 17 0.4138 0-9 降級 B1へ 棋王

 通 算  阿久津 主税 624 396 228 0.6346

 

サンプル数は少ないとは言え、大まかな傾向としては

年齢が高い棋士は、準備段階で将棋に真摯に向き合う事で成績が上がりやすい。

残念ながら、長続きしないw

 

若年層は、準備の年度に成績を落とす方が多い。

理想的に推移をしているのは菅井さんだけ。

この期間に居飛車の割合を増やして、この成績なので

是非ともタイトルに挑戦して頂きたい。

 

hatenaでは、表が作れるツールが無いみたいなので、

見辛いですね。

【将棋】 電王戦Final の先にあるリスク

今回で団体戦としての電王戦は終了します。

 

そして、団体戦が終わった後はタイトルホルダーを出せ! 

的な流れになるのでしょうが、開発者の方はPCに詳しいのは当然として

ブログやツイッター等を利用するのも日常的です。

ところが、

 

初めて現役プロ棋士に勝利した将棋プログラムPonanzaの作者です。将棋ウォーズの作成にも関わっています。Ponanza強くしたい。地球上のすべての存在で一番強くしたい。

 

自己紹介に他者を用いている方がいたり

 

 

鈴木八段のせいで平岡さんに批判が集まっているようです? | やねうら王 公式サイト

 

Aperyの開発者へ心無い言葉を投げかける相手を非難するブログの

タイトルに他者を使う出場者が居る。

 

とかの行動を見るに、勝負する事以外のリスクを減らしたいと将棋連盟担当者が

思ったとしてもしょうがない気がします。

 

電王戦はどうしても棋士を中心とした報道になる事が多いです。

勝敗の結果や内容について報道される事は、プロ棋士としては当然なのですが、

それ以外の事でトラブルになるのは避けたいでしょう。

 

電王戦Final に次の展開が有るか無いかは、開発者の行動・言動如何

も重要になる気がします。

 

今までの出場ソフトの中でどれかを選べるのだとしたら、

習甦 + 竹内章 さんのコンビを対局相手に指名するのが、

勝敗以外のリスクが低い選択になると思います。 

 

それとも、次の電王トーナメントで優勝したソフトと

自動的に戦わないといけないのでしょうか?

その場合、対戦時の事はいかなる理由があろうと個人的に発信してはならない

という、契約書を作ってサインさせるべきなんでしょうか?

 

 ソフト と タイトルホルダー の対局が実現するのは簡単です。

電王トーナメントが終わった後に、立会人として来ている将棋連盟の方に

自分のソフトを羽生さんなり渡辺さんなり糸谷さんなりに渡して貰えば

良いのです。

 

何も求めずに。 興味があるなら遊んでみて下さい程度で。

丁寧に、パソコン初心者でもインストール出来る様に説明書つけたりなんかして。 

 

ブログを書いている渡辺さんは、案外、指してみた感想なんかを

書いてくれるかも知れませんよ。

 

発言するかどうかは別として、棋士が現在最強の将棋ソフトを貰ったら

指してみない理由は無いと思うんですよね~。

 

清水市代女流王将 (当時) VS  あから2010 という前例もあります。

タイトルホルダーと戦う可能性があるソフトは一つとは限りません。

そして、開催されるか否かの最終選択権が将棋連盟にある事を

自覚して行動した方が良いと思います。

 

出場者にしか語れない事も当然あります。 

ブログの記事に書いてある

 

対局終了まで実況に参加しているコンピューター将棋開発関係者が一人もいない状況というのは、極めてバランスの悪い実況だと思いますし、コンピューター将棋開発者からしてみれば、あの場はまさにアウェイ(敵地)であります。

 

この様な内容は当事者から発信する方が良い内容ですね。

但し、この主張が通ったとして、将棋の内容について話すのであれば

プロ棋士の方が良いでしょうし、プログラムの事を沢山話されても

基本的には将棋の番組なので、流石にそれじゃ困ります。

出場ソフトを使った評価値を基に指し手を進める事なら、

一応ニコ生上でも確認出来てしまいますしね。

電王戦は結構な規模のスポンサーがついていますので、

実績無しにいきなり導入される場合はまず無いでしょう。

 

出場している、していないに関わらず、将棋プログラム開発者の方で

ユーザー生とかやってくれる方が現れたら、2窓で見るんですけどねw

 

 

さて、第一局が終わって投了の時期はいつが良いのか?

が問題になっている様です。

今回、擁護派が一定数いるのは、この対局で斉藤五段が、

一際 駒音高く指した6一角の場面から、終局まで1時間だった事と

電王戦で指し手が無くなるまでやったのが初めてだった事が大きいです。

 

仮にAperyが序盤に時間を多めに使うセッティングじゃ無かった場合

あれを一手一手、考慮時間を使いながら2時間とか続けられたら

見てる人は勿論、解説も困るでしょうね。 

終局間際になって視聴者からのメールを読む時間になるんでしょうか?

今回、問題視されていないから次回も問題無いと言う見込みは多分甘いと思います。

電王手さんじゃなく開発者が最後は指すといった第二回の対局開始の

パターンなら間が持つとは思います。

 

塚田九段の入玉将棋の件を持ち出して比較する方もいらっしゃる様ですが、

【将棋】 電王戦ルールがソフト貸し出しありになった理由 - mgudn's

で書いたように、ソフトは入玉しないと思って作戦を立てていましたからね。

 混同されると困ります。

 

タイトルホルダー VS コンピューター将棋の

【将棋実況】角と飛車はどちらが強いのか【五番勝負】 ‐ ニコニコ動画:GINZA

電王戦スピンオフ だったら双方、気軽に出れると思いますw

これ、結構本気で見て見たいです。

【将棋】 電王戦ルールがソフト貸し出しありになった理由

電王戦Final 第一局 終了後に Apery開発者の方が

事前貸し出しルールについて多少語っていました。

 

電王戦を見ている方、参加されている方(開発者)が何故このルールが導入されたか

判っていない方が多い様な気がします。

 

事は第一回電王戦まで遡ります。

米永永世棋聖ボンクラーズと対戦する際にソフトを貸し出しています。

練習環境の提供: A級リーグ指し手1号

に詳細が書いてありますが、その際に

1 入玉処理は削除。

2 評価関数を入れ替え。

3 コンパイラの変更。(処理速度が落ちる)

4 本番はPC複数台 練習機は1台

 

現在の電王戦出場ソフトは指し手にランダム性を持たせる事に

開発者が工夫を凝らしていますが、当時の開発者の狙いも

練習と本番で全く同じ進行になる事は避けたいと思って上記の行動に出ました。

 

翌年の第二回電王戦にこの問題が引き継がれます。

 

当時のソフト提出は開発者に決定権がありました。

ほぼ本番に近い物 1年前の物 貸し出しを良しとしない方もいました。

 

そして、その弊害が 第四局  塚田泰明九段 vs Puel​la α (旧ボンクラーズ

で表面化します。

 

塚田九段に貸し出したソフトは米永永世棋聖に貸し出したソフトと同一でした。

このソフトで練習対局を行っていた塚田九段はPuel​la α と言うソフトは

王手でもされない限り、囲った後の玉は基本的には動かない

と誤認識して対局に臨みます。

 

第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α - 2013/04/13 09:30開始 - ニコニコ生放送  記者会見の質疑応答を見ていればこの辺りの事は判ります。

 

そして、この対局や質疑応答での発言が貸し出しルールに繋がっていきます。

 

一つは 第三回電王戦のルール作成に当たって、塚田九段など出場棋士

意見を求めた事。

もう一つは 開発者がコンピューター将棋の強さは

パソコンの台数に比例するので、お金で強さを得られると発言した事です。

 

電王戦ルール - mgudn's で私の想像で誰がルールを作ったか?書いていますけれど

ドワンゴ社としては、ソフトを使って興業する権利面を押さえる事と、

パソコンの在庫を持たなくて良いメリットは譲る理由が無く、

統一ハードの導入は ドワンゴの都合。

 

ソフトの貸し出しがルールに組み込まれた理由は、団体戦で負けた将棋連盟が

プロ棋士に有利なルールを作った と思っている方が居るのだと思いますが、

残念ながら、開発者の行動に起因します。

 

当時のPVで Puella α の開発者は 

(レーティング的には) ソフトは名人を超えている

と発言しています。

この発言に自信があるなら、細工は不要だった。

昔のタイトルホルダー程度では、現役の名人より強いソフトは負ける確率は

相当低いでしょう。

 

これまで戦った棋士は、かなりの時間をソフト対策に費やしている訳ですが、

それを全くの無駄にされては堪らないと棋士側が思うのは当然でしょう。

 

又、本番とは違うソフトを時間をかけて研究する事に意味は少なく、

普段の棋戦を犠牲にする程のめり込む人間も少ない訳で、

それはお互いにとって良い事なのでしょうか?

 

第三回電王戦から採用された ソフト提出後の変更は認めない

              対局者は本番と同じ環境で練習対局が出来る

は将棋連盟からの提案を受けた主催者判断での採用と見るべきでしょう。

 

このルールが追加された事によって、出場棋士は必死にならざるを得ない

状況に追い込まれました。

 

その点に関しては、開発者側にもメリットはあった筈です。

デメリットだと思われていた、練習対局通りの指し手が

本番でも繰り返されるんじゃないか?という事は杞憂に終わりました。

 

ところで、第三回電王戦時でも出場棋士の選定は棋力を基にしていたと思われます。

通常の棋戦をこなしながらソフト対策を行う事は体力面がものを言うので、

対策に費やす時間が棋士によって大きな差がありました。

 

更に、団体戦の結果も2年連続負け越した事で、世間的には

ソフト > プロ棋士

という認識が一般化されたのかも知れません。

 

そうした流れを踏まえて、電王戦Finalの出場棋士は 棋力に体力面も考慮した

メンバー構成になっています。

 

盤面の先を読むプロ棋士の集団が、この展開を読めなかったのは

甘いのでしょうが、様々な意見を集約して方針を決めれば

後手、後手に回ってしまったのは仕方なかったかも知れません。

 

あえて今のルールに手を加えるのなら、対局本番の最初の1手を

開発者は指定出来る 一丸式 を公式ルールに組み込むか、

本番直前に立会人同伴の下で持ち時間の使い方の調整を可能にする位でしょうか?

 

 

時系列を追っていけば、電王戦というイベントは回数を重ねる毎に

収まるべきルールに収束したと思うのですが、如何でしょう?

 

【将棋】 電王戦Final前日 永瀬六段に向いた作戦が合ったw

今日の王将戦の最後で、永瀬六段が千日手宣言! を出したのか???

見たいな告知しているのを聞いて、ちょっと考えてみました。

前記事で ↓ の様に書いたのですが、

 

2戦目の永瀬六段は、振り飛車で戦えば終盤で逆転出来る可能性は高まる

居飛車を採用した場合は、優勢から押し切るか入玉形を目指す以外

勝ちは無いと予想しておきます。

 

ふと彼にピッタリな作戦があるじゃないか! と思い出しました。

 

プレイバック電王戦 Ⅰ (対 米永邦雄) - mgudn's

 

で書きましたけど、

コンピューターが数百万手読むという特性が全く活きない状態に持ち込む

新米永玉 この戦法 性格的に永瀬さん向きですよね?

 

考案者の米永永世棋聖は性格的には全く合ってなかったんですがww

 

ボンクラーズ戦 では 先手四間飛車 でしたが、

思想自体は今でも一番のコンピューター対策だと思うんですよね。

他の戦型でも基本思想に則った駒組みは可能じゃないか?とも思います。

 

現在の電王戦出場ソフトは特定の局面で毎回同じ指し手を選ばない様に

ランダム性を持たせて提出される事がセオリーになっています。

なので、ぶっちゃけ ランダムな指し手の内の一番緩い手を指す時が来るまで

千日手を狙い続けるのは、出来るかどうかは別にして一つの方法だと思います。

 

一般的に将棋の持ち時間は指し手を考える為に費やすのですが、

連続千日手が可能なら、条件が良くなるまで待ち続ける。

仮に16時を過ぎて引き分けになってしまっても、それはそれでしょうがない。

と割り切って対応出来る人が居るのならば、少なくとも

私は非情なまでにプロだと思います。

 

流石にこの妄想が実現するとは思っていません。

研究時間的に厳しいですし、千日手までの手順を見つけられなかった時に

どうするの?と言うリスクが髙過ぎますから。

 

米永永世棋聖が対局前に、渡辺竜王(当時)に作戦を話していて

渡辺竜王は 『 勝ち辛い戦型 』 と言ったと思います。

ただ、現状で 対コンピューター将棋戦において 勝ち易い戦型はあるの?

と言えば、それは非常に難しい質問ですよね?

(∩´∀`)∩わ~い♪ 飛車 の先に何があったのか?

は 結構、興味深いです。

 

明日の対局後に流れる PVで何らかの発言をしたのだと思いますが

何なんでしょうね?

明日の対局結果共々、気になります。 (o'∀')o†─Good☆night─†o('∀'o)

 

 

 

第二局終了後追記。

 

参りました。 私の見立ては甘かったと言わざるを得ないです。

例のトラブルの時間帯は呑気におでん(゚д゚)ウマー 

とか言ってて見逃してしまいました Orz

但し、メンタル面の異常なタフさを持っているから 新米永玉も

やれると思ってこの記事を書いたので、そこだけは間違ってなかったw

終盤でソフト相手に読み勝ちしてそれを満天下に知らしめたのは

素晴らしいと思います。

おいらは攻めに関しては良い勝負だと思っていたので、

こういった展開の対局が現れて助かりました。

成り・成らずの事に触れる記事が下書きに眠っていて、

うわぁ~何か後出しじゃんけん っぽく思われるのが勿体ないなぁ~

なまけずに、さっさと仕上げれば良かった。。。とこの展開に吃驚です。

 

それはさておき、

永瀬六段 おめでとうございます。

【将棋】 コンピューター将棋の限界2015

コンピューター将棋の限界 - mgudn's

を書いてから1年後の見解を書く。

 

今回の電王戦も ソフト>棋士 が絶対で後は連盟がいつそれを受け入れるのか?

なんて考えている方も一定数居るんじゃないかと思います。

 

 前回の結論は 

コンピューター将棋は道具である事から抜け出せる時は来ない

でしたが、それを将棋のルールと絡めてお話しします。

将棋は二人零和有限確定完全情報ゲーム - Wikipedia

に分類されるゲームですが、この中で将棋だけ別枠だと思っています。

最後の審判 (詰将棋) - Wikipedia ←の様な物が代表です。

個人的見解だと、将棋はある局面では最善が千日手、別のある局面では先手勝ち

の様に結論が1つでは無い様に感じています。

 

なので、

ルールが曖昧な将棋の結論を機械が下せる事は無い

に改める事にします。

 

即ち、コンピューター将棋は最強にはなれない可能性が高いです。

【電王戦FINALへの道】#71 稲葉陽 最後のインタビュー ‐ ニコニコ動画:GINZA

で稲葉七段も話していますが、終盤の入り口が苦手

と話している部分は 思考の切り替えが出来ない事に起因する本質的な弱点でして

おいらが指摘していた去年から変化は無さそうです。

(豊島七段が中盤を一気に飛ばす様な進行を狙ったというのも同義です。)

 

もう一点加えるならば、電王トーナメント等で

最善手を追っている筈なのに、プラス1000以上から

マイナスに一気に変化する光景を何度か見た事があると思います。

仮にコンピューター将棋が棋士を絶対的に超えているならば、

途中で0付近かちょっと不利程度で踏み留まれる筈なんですよね。

この部分はこの先も直らないと思います。

GPS将棋は序盤・中盤・終盤手前・終盤みたいに

探索を変えていたと思うのですが、この手法、切り替わるタイミングが

正確じゃないと意味無いですよね。

中盤ならまだしも、終盤で一手判断が遅れる事が将棋にとってどれ程の致命傷

になるかは、電王トーナメント決勝のポナンザを見れば判ると思います。 

 

今のコンピューター将棋の流れっていうのは、

携帯電話の歴史と似ていると思います。

携帯電話デビュー ⇒ 小型化 ⇒ 大型化 えw

 ボナンザが全幅探索でデビュー ⇒ 枝狩りで効率化 ⇒ 枝狩り無し えw

こんな感じをイメージしています。

 

人間の盲点になっている手を指摘してきたコンピューター将棋が

自身も盲点になっている手が有る事を無視している事なので、

効率化が行きついた後は、枝狩り部分を減らす事になっていきそうです。

 

 

電王戦Final前に ソフト 対 棋士 で思う事は

 

ソフト>棋士の部分はあります。

受けに廻った時の指し手の精度ではソフトが勝っていると思います。

今まで見ていた感想としては、攻めの鋭さと守りの危険許容度は

同じ位ではないか?と感じていて、

例えば攻めの鋭いソフトの筆頭だと思われているポナンザは

危なっかしい玉でも有名じゃないでしょうか?

手厚い攻めのツツカナは受けの形も手厚かったと思うんですよね。

 

数値で表すと (数字が多い方が強いとかではありません)

ポナ・Aprey  攻め 80  危険度許容 80

AWAKE        65        65

プロ棋士平均像      70        30 

  (糸谷竜王佐藤康光九段とかの例外は除くw)

こんなバランスだと思うんですよ。

 

プロ棋士の定跡の進化(更新)とは今までに無い攻めのパターンの発見でして

攻めの精度はソフトと良い勝負の戦型があるし、ある戦型では勝っている。

ところが、攻めの精度程には受けの精度が高い棋士は皆無に近いと思います。

受けに定評のある森内九段の勝ちパターンは受けつぶしではありません。

受けに回る事に嫌悪感が無い程度の物で、受けてからの急襲で勝っている事が

殆どです。

 

電王戦が開催されて、プロ棋士がコンピューター将棋を取り入れて

研究や練習対局を行う事が常識になった頃の奨励会員がプロ棋士になる頃には

少なくとも、棋士の平均バランスは

 

プロ棋士平均     攻め 70  危険度許容 50

 

こうなる可能性が高い様な気もします。

 

プロ棋士における 玉の危険許容度は スペシャリスト程高くなります。

森下九段はツツカナと矢倉で1勝1敗ですが、

2回共に良い勝負だったと思うんですよね。

危険許容度を上げる為には何が有効かと言うと、

経験の蓄積なんですよね。特に例外的な形を経験してる程良いです。

 

対戦するソフトにどの戦型で戦うかを選ぶ基準は

駒組みで優勢を取る確率が高い物 で選ぶ棋士の方が多いと思うのですが、

自分が今までで一番実戦経験の高い戦型を選ばれた方が

終盤でソフトを逆転する可能性が高いと私は思っています。

 

居飛車党4名は普段の人間との対局にアレンジを加えるのでしょうが、

2戦目の永瀬六段は、振り飛車で戦えば終盤で逆転出来る可能性は高まる

居飛車を採用した場合は、優勢から押し切るか入玉形を目指す以外

勝ちは無いと予想しておきます。

 

最後に 渡辺竜王(当時) 対 ボナンザ は相穴熊の勝負でしたが、

この戦型、得意な方は

プロ棋士     攻め 70  危険度許容 70

を最も実現し易いと思います。

電王戦では未だ出て来てませんけどね。

【将棋】 電王戦 2016

開幕まで1週間を切っている電王戦Final。

団体での勝負は今回で最後になる事は確定している。

 

渡辺二冠は 誰か(タイトルホルダー)がやらないと~~

と言う発言をした事もありますし、開発者で羽生さんと

戦いたい旨の発言をされている方もいます。

そもそも、団体戦が終わった後の事は現在未定です。

 

現状、今の電王戦の時期は名人戦と被りますし、

(日程は多少被る程度ですが、準備期間が丸被り)

番勝負を一人で行う場合対戦の間隔をどうするのか?

だけでも様々な意見が出そうです。

では時期をずらせば良いか?と言うとやはりこれも難しい面があって

羽生・渡辺の両者は無冠になる事は確率的に低いでしょうが、

電王戦時期にタイトル挑戦している可能性が避けられません。

糸谷竜王は出場が決まって対戦するまでにタイトルを失う可能性を

懸念される事でしょう。

 

では、どうすれば良いのか?

ルール・時期は電王戦Finalを引き継ぐものとして妥協案を考えてみました。

 

① 出場が決まったソフトを本番仕様にした上で、

  本番と同じ時間で対戦したログを対局者は入手出来る

② ①において対戦相手は電王トーナメント1~5位と

  1位との対戦ログとする

③ ②を行う期間はソフト提出3日後~対戦3日前まで

  毎日、対局が終了すると速やかに対局者に届ける事とする

④ 対局者が望めば、対局ソフト以外の電王トーナメント入賞ソフトとは

  自由に対局出来る環境をドワンゴ社が用意する

 

こんな感じでしょうか。

実際の対戦相手とは直接指す事は出来ないけれど

本番で全く同じ進行をする可能性とその時のソフトの思考ログを

確認出来る。

一部有利・一部不利にしてバランスを取ったつもりです。

 

阿部四段(当時)が戦法を絞り込んだ上で1日2局、

本番通りの持ち時間で対局を重ねていたにも関わらず

本番では同じ進行を辿る事は無かった や

練習対局を1000局程重ねた豊島七段が本番では

未知の局面に行きついたりしていますので、

再現性の点は問題無いでしょう。

 

1位 VS 1位~5位なのは 2~4位に大きく勝ち越したとしても

1/5 の割合で負けパターンも確認出来る様な配慮です。

 

忙しいであろう対局者が移動の時間でも対コンピューター将棋戦の

準備が出来る様にするにはこんな感じでやらないと厳しいんじゃないかな?

 

 おいらは基本的に、コンピューター将棋 VS タイトルホルダー

は実現しなくて良いと思っています。

 

実現しなくても良いとは思っていても、対戦するならどんな戦型を

選ぶのか?は興味があったりして困るw

 

そして下書きで半年以上眠っている王座戦5局の答え合せや

年末のリベンジマッチの書きかけをUPするタイミングを

完全に逃してしまってどうしたもんか とも思っている。

 

あぁ。 直ぐに土曜日が来てしまうに違いないw

【将棋】 羽生善治の現在 ~羽生と持ち時間~

【将棋】 羽生善治の現在 ~羽生と研究~ - mgudn's

の内容と多少被りますが、持ち時間が異なる棋戦での違いについて。

 

一般的に羽生さんは、 1日制の将棋>>2日制の将棋 だと思われている風潮がある。

 

おいらはこれは違うと思っていて、 タイトル防衛戦 >> タイトル挑戦

こっちだと思っている。

タイトル保持者として戦う時のみ対局数の後半にかけて

難しい将棋より負けない将棋が増えるからである。

挑戦している際には案外、面白い将棋・試したい将棋 > 負けたくない将棋

の傾向が強く最終戦でも普通に実験的な将棋を見る。

 

竜王戦との相性が悪いと思われている節があるが、

これも案外的外れだと思っている。

 

1組在籍の棋士が考える事。

それは、羽生さんを倒せば次に当たるのは挑戦者決定戦まで無いという

竜王戦の特性をしっかり活かす事。

順位戦でも当たる人は特に竜王戦に照準を合わせて来ませんが、B1以下の方は

絶対に対策をしっかりして来ます。

 

なんで言い切るかと言えば、竜王戦が賞金が一番高いからですね。

中堅クラスの棋士ならここで1勝するかどうかで年収がガラリと変わります。

順位戦は地道な勝ち星の積み重ねが必要なので、誰に勝っても1勝は1勝。

あえて強い奴に必勝の体制で臨む理由がありません。

そして、相手が対策して来ているなぁ~と思った際の羽生さんの対応は

基本的にそれがどんな局面のどんな手か見ておく人なので、

竜王戦では基本的に作戦負けからスタートする事が増えます。

なので相性が悪いというのとは違うと考えています。

 

 2日制の場合、ある局面で羽生さんが最善はこの手だろう!と断定した上で

ではその前で変化した場合はどうなるのか? とか 

最善以外で進めたらどうなるのか? を実戦で試している場合が、

1日制と比較して増える(時間的な余裕が有る為)ので

勝敗の結果として、1日制の方が強い様に感じるだけだと思います。

 

丁度良いタイミングで王座戦の第五局がもうじきあります。

防衛戦の最終局、羽生さんが最も勝ちに拘る将棋を指すとすれば、

このタイミングになりますので、作戦選択、指し手の選び方、時間配分等

注目してみたいと思っています。