mgudn's

髷であり曲げでもある。

【将棋】 羽生善治の現在 ~2015年タイトル防衛戦~

今年度、4冠でスタートした羽生のタイトル防衛戦を振り返ってみる。

  先手番での矢倉が勝てない状況で始まる。

  全体的に苦戦。 というか、作戦負けしかなかった印象。

  4・5局目は矢倉で、共に先手番が工夫しようと言う意思は感じられた。

  が、上手くいかず苦労している様子が見受けられる。

 

 

  引き続き1~3局で矢倉。

  豊島七段も打開する作戦は用意出来ず。

  困った状況で何を指すか? と言う勝負になり羽生圧勝。

  明確な指針の無い将棋では経験値が違った と言う印象。

 

 

  ついに矢倉が登場せず、二日制の対局では久々と言って良い

  横歩取りが後手番で2局採用される。(羽生比)

  先後で角換わりも採用。 但し 二日制での角換わりは良くあるので特に問題無し。

  広瀬八段がタイトルを取る原動力になった、振り飛車穴熊は木端微塵。

  戦前、自身が述べていた様に、対 羽生戦では苦しいのか?

 

  

  引き続き 横歩と角換わり

  佐藤八段が今季絶好調なのも、元々、横歩と角換わりで稼いでいたので、

  矢倉減少の今季は、各棋戦で勝ち上がり率が高くて当然。

  後手横歩・先手角換わりの戦型で挑戦者有利の展開が多いのも自然。

  1勝2敗から連勝で防衛。

 

  タイトル4防衛!

  2011年の王座戦から機会連続防衛記録を12に伸ばしています。

  自身の記録では最高16 次点で14 現在単独3位って所ですね。

 

 王将戦は挑戦敗退しましたが、叡王戦と合わせて郷田王将には気付けた点があったので

 これは別に書こうと思います。

 

 羽生さんは常々、 勝ちになったと思った局面が投了直前 だと答えていますが、

 案外そうなのかも知れないと感じる様になって来ました。

 巷ではタイトル獲得100期は、もう目前の様に思われていますが、(現在94期)

 本人からはそんな雰囲気は感じません。

 

 今後の見通しについてですが、通産勝率がゆるやかに低下する事が確実視されます。

 現状、屋敷九段を除く全ての棋士が先手矢倉で苦戦しています。

 屋敷九段は二枚銀の矢倉を多用しているので例外なだけで、

 定跡形の矢倉で先手が辛いのは変わりません。

 

 相居飛車の場合、角換わり・横歩取り・相掛かり 辺りが増える訳ですが、

 中でも羽生さんの通産成績で最も勝率の悪い戦型が 角換わりの後手番です。

 (76勝52敗 勝率 .593 次点が後手振り飛車の .624)

 現状、矢倉が減る代わりに、他の戦型が増えるので、 角換わりの後手番も増えます。

 

 通産勝率が7割を切るには、50連敗ぐらい必要なので、流石に遠い未来の話ですが、

 引退時の通産勝率ですら7割超えていて欲しい思いもありますので、

 なんとかならないものかなぁ~と思う次第です。

 

 現状の先手矢倉不遇の時代を羽生さんが打開する!

 ことは、個人的には無いだろうと考えています。

 根の深い問題なので取り組むには時間が足りないでしょう。

 

 2016年度の防衛戦の戦型は 2日制の名人戦王位戦で急戦矢倉・一手損角換わり 

 が出るのではないか? と予想しておきます。