mgudn's

髷であり曲げでもある。

【将棋】 羽生善治の現在 ~羽生と研究~

羽生さんの対局や講演のスケジュールを見て

一体いつ将棋の研究をしているのだろう?

と思われている方って結構居ると思う。

 

それをおいらなりに予想してみる。

 

棋士の言葉から研究と言う言葉は結構な頻度で使われるんだけど、

この ” 研究 ” って2種類ある。

 

棋士がほぼ100%の確率でやっているであろう事は

タイトル戦の棋譜を並べて自分なりに考える事であろう。

そこで、どこが敗因でそれをどこまで遡れば良いのか?

先手側の対応、後手側の対応を考えその対応策に更に対応策が無いか

考える。 ひたすらそれの繰り返し・・・これが一つ

研究の範囲が広いと言われる場合この棋譜を自分なりに理解する範囲が

棋士棋譜の公式、非公式まで及んで居るのだろう。

 

次が、対戦相手の研究(以下このパターンは準備と表記する)

これは上記の内容を対戦相手に絞って調べる事。

誰と戦う時にどんな作戦を取るのか?

その時に準備した物は何なのか?

最近取り組んでいる物があるのか?

等々を読み取る作業を行う。

 

では、羽生さんは研究・準備はしているのか?の回答

研究はしていないが、準備はしている。で合っているはず。

 

羽生さんの言葉に 『 将棋は他力 』 という言葉がある。

自分でいくら考えても相手が自分の想定内になる事は少ない

例えば、自分の指し手が難しい時は有効な手を探さずに相手に考えて貰おう!

これがいわゆる手渡し。

それを研究の面でも使っているのが見受けられる。

近い例でいうと棋王戦での永瀬六段2連戦、去年までの名人戦

羽生さんは自身が持っているタイトルの開幕から数戦、

それ以外の棋戦で、相手の研究を実戦で教えて貰おうw

をやっている時があって、若手との対戦で最初に負けるパターン

が多いのはこれです。

 

若手の有力、若しくは勉強熱心だと棋士間で有名な人の場合

どこまで深く研究しているか?又その精度はどうなのか?を確認しておく。

今後大きな舞台で戦う時の為の準備に充てていると思われます。

羽生さん相手に無策で臨む若手の方なんてまず居ないでしょうから

それなりの頻度で現れています。

 

又、森内さんとの名人戦の場合は森内さんの棋力、研究精度を把握しているので

現れた戦型でここから先は考える必要が無い、

いわば、通行止め確認に利用している節が感じられます。

 

相手の研究も利用する。 まさに他力www

それでも勝率が落ちないのが羽生善治w 恐ろしいです。

 

では、羽生さんが研究する場合ってあるのか?

これは研究をアイデアという言葉に変えれば有るといえます。

 

3冠対決の棋聖戦・今期の名人戦がそれです。

普通の方がやってる深く精査するではなく、ここでこうやったらどうなるんだろう?

一寸考えてみたけど難しい ⇒ なら実戦で考えよう!

この程度で盤前に座りますw

 

対局後に ”つまらない将棋にしてしまった” 

ってたまに羽生さんが使いますが、これは

自身のアイデアが面白そうだと思ったけど案外難しいだけだったね(´・ω・`)ショボーン

を表現した言葉だとおいらは思っていて、そう考えれば

色々な場面での整合性が取れると思います。

 

又、性質が悪いのは、それを余り現れない(勝率が悪いので採用される機会が減った)

戦型で考える事が多いので、相手側からすれば

何をやってくるのかまるで予測が立たない事。

どの時期のどの戦型から出るか判らないので対策なんて立てようが無い。

 

タイトル戦で出た局面は誰でもやっているので、それは人に聞けば(対局)良い。

自分は人がやらない事をやれば良い。

将棋には可能性が埋まっている、それを開拓していくのが自分の使命。

七冠を達成している羽生だけが許される行動、思考だと思うんです。

 

永世七冠を目指すなら負けられない筈の今期の竜王戦挑戦者決定戦。

糸谷七段相手に羽生さんが研究をぶつけるのか期待してみていましたが、

普段通りでしたwwww

将棋ファン(読売新聞担当者もw)は期待していたと思いますよ。

初戦は海外対局ですしね。

周囲の期待を余所に余計な事に捕らわれない。

 

3冠対決の場合も周囲が棋界初だ!と盛り上げたので、しっかり準備して

全局で羽生ペースでした。

渡辺さんを特別視してでは無かったのは、その後の王将戦の戦型を見れば

間違いないでしょう。

 

又、アイデアは対戦相手との対局から得ている場合もあります。

棋聖戦での振り飛車はその前の王位戦での 対 藤井九段戦からの発想であり

当時、渡辺さんが対振り飛車での勝率が低い事を理由に戦型を選んだ

というのは誤解でしょう。 その後の対渡辺戦を見れば明らかでしょ。

 

王位戦で手待ちをどこに組み込むか?という発想を

作戦家の藤井さんから得て、横歩に取り入れたのが、先手で68玉⇒58玉の対局。

そして当たり前の話ですが、電王戦からも発想を得ています。

(それは別に書きます)

 

以上、こんな所が羽生さんの研究とのスタンスだと思います。

結構な暴論だと思いますが、そこそこ良い線で迫っていると思うんですけどね~w

 

9・23日 追記

 

羽生さんがしっかり準備をする対局の事を書き忘れていました。

想像つくと思いますけれど、A級順位戦ですね。

先後も予め判っているので、この戦いでは、事前準備をしています。

で、戦績ご存じですかね?

3年間で25勝2敗 勝率.925 クレイジーwww

勿論、勝ちに近い作戦を取っての戦績ではないのが呆れる所です。

実際問題、負けに等しい状態からの逆転勝ちもあります。

それでも他の棋戦よりは勝ちに対して貪欲で負けない将棋を指していますね。

以上 追記でした~。