【将棋】 電王戦で将棋連盟のサポートが足りない件
私は、電王戦において将棋連盟の出場棋士に対するサポートは
全く足りていないと思っています。
電王戦Final になって、参謀役として西尾六段がミーティング
に出席したり、過去に出場した棋士からの助言を受けたりする様が
電王戦への道 の動画で見受けられますが、
コンピューター将棋に詳しいと言われる棋士の方でも何に注目しているか?
と言えば、今までに無い攻め筋を見つける事が中心です。
受けの手というのは特定の局面でしか役に立たないから軽視されます。
出場する棋士は何を考えるか? と言えば 先手角換わりの様な
目論見通り行けば、一方的に勝てる順が有ればそれが一番良いので
そんな作戦は無いかな? が一番目
一方的では無いけれども、途中まで有利に行ければ良いな~
が二番目です。
今までの記者会見で感じた事は、準備期間で出来ている研究とは
大体ここ止まりになっています。
棋士同士・ソフト同士の戦いで、一方的に片方だけ攻めて終わる対局の
割合は何%あるんでしょうね?
個人的には5%以下だと思うのですがどうなんでしょうね?
参謀がついた事で、過去の成功例から、
本番と同じ時間の使い方で序盤の対応を収集しているっぽいのですが、
そのパターンの攻略法では準備期間が足りなさすぎると思います。
又、待ち時間が長すぎて集中度も落ちます。
もともと、数%しかない(であろう)パターンを発見しようとするのは
無理があるし、効率が悪いです。
個人的に強く思う事は、
現在のソフトの限界を知らずに戦うってのは、有り得ないと思います。
以前にも書きましたけれど、コンピューター将棋同士で見解が分かれる局面 と
コンピューター将棋同士で逆転した対局 の収集ですね。
例えば ソフトA ソフトBでの対局で
A+300 B+300 から A+1000 B-1000
になる場合と 一旦0付近になってから A・Bどちらかにふれていく場合
がありますよね。
総合力で似通ったソフト同士で戦うと基本的には上記2パターンが増える筈です。
そんな棋譜を収集していくと、ある年のソフトは見解が分かれるけれど
次の年では一致するソフトが増えるパターンと一年経っても
変わらず分かれるパターンが出て来ます。
おそらくですが、収集した棋譜を棋士の方が見れば、形勢判断が難しい
とか 間違えるパターンを感じる事が出来ると思うんですよね。
第一回電王戦で米永永世棋聖は、自分以外の棋士にも見解を聞いていますし
ソフト側に属するBonannza開発者 保木さんにも助言してもらっています。
なんで、過去に見習うべき例があるのに、対局者に任せた対応が
多いのでしょう?
対戦成績も良くないのに。
もっとなりふり構わず、勝負師の集団という将棋連盟のもう一つの側面も
押し出して欲しいものです。
対局開始10時間を切ってきました。
明日はどんな決着がつくのでしょうか??
追記
電王戦FINAL第4局観戦記 金井恒太五段 | ニコニコニュース
読みました。
以前より勝ちに拘って対応したようですね。
それでもやっぱり違和感がありますねぇ。
結局の所、将棋の技術の中で攻めの部分しか見ていませんよね?
受けもそうだし、なにより大切な凌ぐという発想が抜け落ちています。
棋士同士で使われる凌ぎの手筋で何が有効か また
コンピューター将棋独特のものはあるのか?
という部分は継続的な攻略を怠った連盟の怠慢ですね。
対局者は勝ちを探し、連盟が負けない技術を探す。
これでようやく対局のスタートラインに立つことが出来る。
私は、そう考えています。