mgudn's

髷であり曲げでもある。

今頃ブラジルW杯の事

4か月の空白を経て、今更な話題ですまぬ。

ここは、自分用のメモだからねwと自己弁護するも・・・

アクセス解析を見た感じでは、電王戦の人選の記事を見に来て下さる

方が多いみたい。 随分昔に書いた物なんすけどね^^;

 

さて、W杯。

日本代表については色々な方が書いてるでしょうし、

おいらは初戦を適当に流して見た程度なので、一言だけ。

オシムが健康上の理由で去った事を惜しむ。

当時は圧倒的最先端の戦術だった。本当に惜しむwww

 

目当ては、オランダ・チリ代表っすよ勿論。

両チーム共に前回大会を糧にして成熟したチームになっていた。

 

が、我が愛すべきオランダ代表は調子が良い時に負けるパターンも踏襲して敗れた。

なんなんでしょうね~。

予選の時が好調でも本選で戦い方が臆病になるんすよね。毎回。

 

今回もドイツには勝てそうにないけど、決勝までは行けると思ってたんすよ。

良い意味で開き直れない弱さが、優勝を狙えそうな時ほど出るチーム。

それが、オランダ代表w

そこも嫌いじゃ無いですけど、上手くやってた。特に監督がw

全部の試合を見たから言う訳では無いですが、オランダ対△△ の試合は

全て面白い試合だった。

ベストパフォーマー賞があるならば、オランダ代表が受賞したに違いない程に。。

 

次回のW杯はDF陣が成長し、攻撃陣が世代交代で不安定っつー

オランダ代表になりそう。

メンフィス・デパイは定着しそうなので彼がどこまで伸びるかによるんだろうね。

 

それにしても、驚いたのはカイトとロッベン

カイトなんて守備で頑張るFW(点取らないw)だったし、

 ロッベンオーフェルマルスの穴を埋めるには足りなさ過ぎる男だった。

今回の躍進はこの2名抜きには語れない程、突出していた。

それでもおいらが選ぶベストオランダ代表スタメンには選ばれないんだけどねwww

 

さて思いついた事を取り留めなく吐き出したので、次はもうちょい個別の事案を。

【将棋】 第四回電王戦の追加新ルール

これまでに 電王戦ルール - mgudn's で誰がどんな目的でルールを作っているのか

を述べた。

そして  【将棋】 ソフト貸し出しの是非 - mgudn's で、現在は貸し出しする事が

必要だと訴えた訳ですが、いつまでも貸し出すべきだとは思っていません。

 

【将棋】 第三回電王戦 総集編 - mgudn's  の文章の後半では、

人類の見落としている手があるとかいうなら、今は、真摯にそれを学ぶべきだ

と訴えました。

なので、コンピューター将棋が、人間の定跡を使わない方向を目指している様に、

プロ棋士側が、コンピューター将棋特有の手筋の洗い出しが、

ある程度済んだ際には、最新版の貸し出しは止めれば良いと思います。

 

森下九段が仰った様な、盤・駒を使用する案は、エキシビジョンマッチとかなら

良いでしょうが、やっぱりあれをスタンダードにする事には違和感があります。

 

なので、私が提案する新しい追加ルールは

 

X手まで指定ルールです。

 

これ、第三回電王戦の 船江 VS ツツカナ と同じです。

あれは一丸さんが船江さんの事を考慮した上で、師匠の井上九段がたまに使う

二手目△74歩を固定していた訳ですが、公式ルールに入れてしまえば良いんです。

 

但し、このルールを使う場合においては、最新版のソフトの貸し出しは行わない

が必要だと思います。

 

例えばですけど、加藤一二三九段が出てきて、棒銀にならない戦型の

将棋が見たいですか?

広瀬八段が出てきたら、やっぱり振り飛車穴熊を見たいじゃないですか。

 

そういったニーズを満たせる様な補助ルールです。

 

先手を持った棋士が相居飛車ならなんでも良い場合、 2手目△84歩 

を指定したりとそんな感じで使います。

 

スケジュール的には、出場棋士の発表があると思いますので、

その際に棋士から提案して、開発者はそれを受けるか拒否するか選ぶ。

その場合、棋士が10手目まで指定して来たものを、開発者が8手目までなら受ける

とかの、駆け引きはある方が面白い。

X手目まで指定が決まった場合は通常のソフト提出時期から猶予期間を

設ければ対応は可能でしょう。

もちろん、前回同様、ソフトの貸し出しを選んで、対局しても良いでしょう。

 

 エンターティメント性は、今より上がるんじゃないかな。

それでいて真剣勝負の面を駄目にする訳でもない。

棋士がどのような考えで対局に臨むかも、提案の内容を聞けば判ると思います。

 

ソフトを借りた棋士が何をするかと言えば、どんな戦型になる確率が高いのか?

自分はどの戦型で戦うのか? を調べる事です。

豊島さんは会見で具体的な数字で言ってましたし、

森下さんも矢倉になる確率が高い事を確認した後は、暫く 自分で指さずに

コンピューター同士で戦わせて、それを確認していたといってます。

 

つまり、導入する事で棋士の負担も減らせる事ができ、

得意型でやれますので、勝負は白熱するでしょうし、コンピューターの新手が出る

可能性も高くなるのではないかと思います。

 

解説も単純な形勢の話だけでは無く、新しい戦法の可能性を話す場に

なるのかも知れません。

良い手、悪い手 勝った、負けた の単純ではない奥行きのある楽しみ方が

もっとあるはずだと思います。

 

連続で電王戦のエントリーを続けていましたが、これで一区切り。

将棋のお話での次の話題は 羽生さんを題材にした文章を書く予定です。

 

 下書きのまま10日程放置してしまった><。

ので昨日終わった、コンピューター将棋選手権の結果にも一言。

 

Apery Ponannza の指数ピーキー型が上位に来た。

この2ソフトの予選の差は強引さの精度の違いだと思う。

現状ではPonannzaを上に見るが、Aperyは評価値を今のバランスのまま

良くすれば追いつける可能性が高いと思う。

Ponannzaは評価値の適正化よりも探索を深くする方法で、まだ強くなれるとも思う。

 

激指は評価が慎重派で下位ソフトとも当たる、

二次予選は毎回安定している事を加味すると、

現在のコンピューター将棋ソフトは

棋譜の検討をするには慎重派のソフトが参考にし易いため向いていて、

実戦では楽天的に突っ込んでくるソフトの方が

勝ちやすいと言っても良いだろうと思う。

コンピューター将棋の限界 - mgudn's でも同じ事を述べたが、

それなりに信憑性はあると思う。

【将棋】 チェス・囲碁・将棋 と コンピューター

これまで電王戦の記事を色々書いているおいらの主張は棋士は巻き返せる可能性がある

 

なのですが、チェス と 囲碁(オセロ含む) とを比べて将棋の特殊性を話したいと思います。

 

おいらはチェスも囲碁もルールすら完璧には知りません。

それでも気付きはあるものです。

 

まずはチェス。

駒の配置を行って駒の取り合いをする。 ここまでが将棋とほぼ一緒な点ですよね。

つい数日前にどこかで見た記事で、コンピューターチェスの何を参考にするのか?

とTOPプレイヤー(カスパロフだっけか?)に聞いた所、中盤だ と語ったそうです。

終盤自体はプロ(人間)でもミスはしないらしいので参考にする必要すらないらしいです。

 

チェスの特徴はゲームが進むにつれ物理的に駒の数が減る

 

次に囲碁(オセロ)

自分の持ち石を交互に行っていくゲーム。

盤上の升目の数の違いから指し手の可能性が将棋より多い為、

現在コンピューターは、プロ相手には歯が立たない。

通常19路盤という 19×19 の升目がある盤で行うが、囲碁電王戦は 9×9 にて実施。

コウという将棋の千日手の様なルールがあるので、

何時でも何処にでも石を置ける訳ではない。

ちなみに、オセロは人類よりコンピューターの方が圧倒的に強い。

 

囲碁(オセロ)の特徴はゲームが進むにつれ物理的に置ける駒の位置が減る

 

おいらは、オセロと囲碁はゲームの本質が似ているので、

コンピューターが一度抜けば、抜き返す事は不可能だと考えますが、如何でしょう?

 

そして 将棋は、この2種のゲームの本質とはずれていると思います。

そのずれを埋める技術があるなら、将棋も他のゲームと同じ道を辿ると思いますが、

おいらには想像もつかないので、それは無いと言う少数派の意見を述べています。

将棋を紹介する際に Japanese Chess ともいうそうですが、

どちらかというと 、やっぱりチェスに似たゲームになると思います。

でもやっぱり、本質的な部分で違うゲームだとしか思えません。

 

 

仮にですが、将棋の中でコンピューターが最も早く強くなる可能性が高い戦法は

相穴熊になると予想します。

 

陣地の駒の内 歩3枚 香・桂・銀・金・玉 各1枚はほぼ固定ですし、

基本的に、玉の逃げ場所は無いので、穴熊跡から囲いの反対に逃げる展開を

例外とみなした場合、一番計算で答えが出る可能性が高そうに感じます。

 

相穴熊専門の将棋ソフトを作る人が現れれば、以外に早くこの仮定は検証されそうな

気もしますが、そんな酔狂な方って出て来ないんでしょうか?

電王トーナメントに筋違い角専門のソフトが出ていた覚えがありますので、

どなたか穴熊専門でやってみませんかねぇ。(対藤井システムは考慮に入れず)

 

追記

 バックギャモンもコンピューターが強いらしいですが、初心者に向けた

一番最初に何から教えるかを説明した動画を見た限りでは、石?

が減っていくチェスと同じ系統のゲームだと思います。

 

【将棋】 渡辺明二冠 と Ponannza の類似点

【将棋】 Ponannzaの作り方 - mgudn's でポナンザの特徴を挙てみました。

で、現役プロ棋士の中で渡辺二冠の考え方に基本理念が近い様に感じたんですよね。

 

渡辺二冠と言えば、『 隙あらば穴熊 』 が代名詞で、 物理的に 堅い玉形を好む。

永世竜王対決で現れた、急戦矢倉の新手も同じ理論から生まれている。

 

対して、ポナンザの場合は 相対的に 自玉の堅さが高い事を好んでおり

相手より先に玉周辺の駒を減らす事が大好き。

 

両者?共にちょっと駒が足りないのでは無いか? と思われる攻め方をするのも一緒。

 

だからどうした! コンピューター将棋のプログラムは改良したら簡単に

違う特徴になってしまうから、そんな分析は意味が無い。  と思われる貴方。

 

おいらは、現在のソフトを更に強くする場合、 画期的な新しい手法が生まれない限り

基本的に今の棋風を引き継ぐと思っています。

 

基本的にソフトが強くなったかどうかは、自己対戦かBonannzaとの対戦成績を持って

語られる事が多いと思います。

開発者の方が良くいう事に

     Aのソフトを改良したBとの対戦成績は Bが8割勝つ

     Bを改良した Cとの対戦成績は Cが7割勝つ

     しかし AとCを対戦した場合 Cが負け越した。

があると思います。

これを回避できるパターンとして思い浮かぶのは A⇒B⇒C 

へ正統進化させる(精度を上げる)事でしょうね。

 

基本的なバランスから調整が可能な時間がある開発者と言えば

ビジネスとしてソフト開発ができている ポナンザの山本さんぐらいしか見当たらず、

同じ会社に勤める事になった一丸さんは、逆に今までより開発にかける時間が

減る可能性の方が高いのでは?

その彼らにしても 春に電王戦 GWにコンピューター将棋選手権 11月に電王トーナメント

がある訳で、根本から新たに作り直すにはリスクも高く、時間的にも厳しいと思われます。

 従って、今のソフトの修正や新しい要素を加えてといった対応になる公算が高いでしょう。

 

さて話は戻って、両者とも受けも強いですしね。

前回の人選で出ていない戦型で相穴熊を挙げ忘れていたので

この両者で見てみたい気もします。

次点はやっぱり広瀬さんになるのでしょうか?

 

開発者の方がコンピューター将棋と攻め合いをするのは危険だと発現されていますが、

おいらは、先攻するか、攻め合うかのどちらかしかプロ棋士は勝てないと思っています。

駒組みで有利を築く、受け潰しを狙うはもう古い考え方で、

前者はチェスの歴史をなぞりますし、後者は評価関数の最適化が進む事で、

惨敗する未来が見えます。

 

そういった意味で、どこで手抜いて攻め合うかという分野では、プロ棋士の序列が

そのまま当てはまる可能性が高く、その分野において渡辺二冠も

TOPクラスである事に疑いの余地はありません。

 

鋼鉄の鎧を着込むのが好きな渡辺二冠か、

自分が皮鎧だったとしても、相手を裸にするのが大好きなポナンザか

実は似たもの同士なこの二人の戦いで、どちらの攻めの技術が上なのか?

殴り合いで倒すのか、寝技になだれ込む様な戦いになるのか、非常に興味があります。

 

ツツカナ 対 森下九段が 森下 VS 森下 だと言われたように、

ポナンザ 対 渡辺二冠は 渡辺 VS 渡辺 だと言われそうだと予想しておきます。

【将棋】 第四回電王戦 人選

前エントリーで総括的な事をやった中で述べたのだが、

  違う技術を持った強いソフトが現れたのでプロ棋士全体が

  その技術を解明したいと望んでいる事を強く訴えるべきだと思う。

  勝敗が重視される事は重々承知しているが、プロ棋士として

  我々が知らない将棋の技術が有る事を知る機会が無くなる事の方が耐え難い。

  だから次回も電王戦を行う! ぐらいの事を谷川会長に言って欲しいものです。

そこで、コンピューター将棋の技術の洗い出しをするという目標があるとすれば

前回までの 初戦 若手枠 四戦目 ベテラン枠は 将棋観の違いから検証する為にも

踏襲した方が良いのかもしれない。

 

若手枠では実力+タイトル戦出場か性格的に物怖じしない事が重要だと思う。

 

四段から 千田翔太  去年デビューながら 今期王位リーグ入り 

       昨年勝率TOP争いを途中までリードしていた。 性格面が不明?

五段では

   佐々木勇気 加古川清流戦優勝 史上五番目の若さでの四段デビュー

   斉藤慎太郎 実績面では物足りないが、Ponannzaの大阪遠征での

   山本さんとの会話を見るに適正は高そう。

二~三戦目要員

六段から

   永瀬拓矢  新人王戦・加古川清流戦優勝 勝率7割超え 初戦要員も可

   中村太一  タイトル戦2年連続出場 

   糸谷哲郎  新人王戦優勝 勝率6割9分 性格面問題なし 出場志願した

         らしいしw

   西尾明   実績面では物足りないものの コンピューター将棋に深い造詣あり

          バリバリの理系で普通の棋士とは違ったアプローチをするはず。

七段から

   稲葉陽   銀河戦の優勝は一歩落ちる 勝率6割9分 

         井上門下の連続出場もかかる

   佐藤天彦 新人王戦優勝 勝率7割 次点二度を蹴った男  佐藤第三の刺客w

   村山慈明・松尾歩  新人王戦優勝 確かな実力者2名

八段 山崎隆之 タイトル戦出場 一般棋戦優勝5回 単純に見たいw

 

ベテラン枠

   中川大輔  中田宏樹  隠れた実力者2名

   木村一基  ベテランと言うと失礼に当たるが森下さんの様に電王戦出場を機に

           調子を上げて欲しいのでここに。

           棋界No.1解説者の解説が聞けなくなるかと思うのは残念

           でもあるが、なんとかタイトルを取って欲しいので

           是非頑張って欲しい。

           解説は浦野先生に任せてハンドブックと木村の矢倉が

           アマゾンで激売れする未来も見たい。

 

大将

  丸山忠久  あえてのA級外しもありかな  出れば角換わりが確定するので

          現れていない戦型での対局が見たい。

 

  A級で誰が出場する事になっても問題は無い気もするが阿久津さんは実績面でマイナス

 

  タイトルホルダーを出すなら、ちゃんと営業的に満足できるであろう条件を

 引き出した上で実施して欲しい。

 米永さんは、その辺りの手腕がずば抜けて高かったので後を引き継いだ

 谷川会長は、得意分野では無いでしょうが、頑張っていただきたい。

 

事業概要

主に下記内容の事業を行っています。

  • 全国の報道機関(新聞・雑誌・テレビなど)と契約し、対局棋譜を提供。棋譜に解説・講評などを附して普及に役立てる。
  • 月刊雑誌を刊行し、随時に棋譜を刊行する。
  • 大会・講習会などを随時に開催し、随所に支部・教室などを設置する。
  • 全国に指導者を育成して、普及・指導を図る。
  • 国際的な対局を行い、または国際大会を支援する。
  • 将棋会館を建設して、将棋道の発展を図る。
  • 棋士を各地に派遣して、普及・指導に当たらせる。
  • 各種文化団体と提携して、文化運動の推進を図る。
  • その他、日本将棋連盟の目的を達成するために必要と認めた事業を随時行う。

連盟のHPに将棋会館を建設する事が事業内容に入っているのは、

今回初めて知りました。

それなら会館の建て替えの資金を集める最大で最後?のチャンスかも知れないので

なんとかしないといけないですね~。

少なくとも、今回協賛企業が現れた事、視聴者数が増えた事を考えると

見込みはあると思います。

 

そんな時間的余裕は無いとの意見が出るのでしょうが、

まだ数年大丈夫だと思います。

理由は別の機会に書く予定。

 

但し、コンピューター将棋のレーティングが上がる内容と言うのは

攻め(受け)の精度が上がる事なので、以前言われていた様な、無理攻めをさせて

受け潰す選択は、ほぼ失敗すると考えて間違いないと思います。

 

ポナンザが指した△16香以降の展開の様に、最善とは言えそうになくても

破綻はしていない感じ といった所でしょうか。

 

プロ棋士からすれば苦しい戦いで、前回までの流れから

人選次第では全敗 若しくは勝てても1勝とか予想されそうな風潮ですが、

おいらは勝敗よりも、大局観 VS 評価関数 の戦いの方が興味があり

その分野では、僅かにプロ棋士がリードしていると考えています。

 

いずれにせよ、現在の棋戦で出る様な定跡型から微妙に外れた

有りそうで無い展開になる公算が高いので、

発表まで楽しみに待ちたいと思います。

【将棋】 第三回電王戦 総集編

楽しかった電王戦が終わり、色々な方が発言する中で、

余り言及されていない部分が有ると思ったのでそこら辺りを書いておく。

 

個人的には、日刊スパ 坂本氏の記事が良かったと思う。(毎回クオリティが高いです。)

 

第3回将棋電王戦全5局を総括。「1勝4敗」の意味するものとは? | 日刊SPA!

http://nikkan-spa.jp/626805

 

では、初戦から

◆第1局 ●菅井竜也五段vs○習甦

端的に言えば菅井さんらしくなかった。

普段の彼は思い切り良く攻撃的なので、先手を持って受ける展開は慎重になりすぎている

と思って見ていたが、習甦の指しまわしが素晴らしく敗れ去った。

会見での 「 (今日の)習甦との将棋は、本当に、力負けというふうに感じました。 」

の発言を切り取って記事を書かれる事があるだろうが、

今日のという部分を菅井さんは、省略して発言している。

練習対局で95勝97敗 だったと述べているので、実力的には五分だった事は

間違い無い。

又、習甦は去年から格段に強くなったか?と言われれば、そうでは無い

と思っている。 西尾六段が解説をしていた頃から見ているが、十分に強いソフトである。

 

◆第2局 ○やねうら王vs●佐藤紳哉六段

第一局に引き続き、居飛車 対 振り飛車 の対抗形。

おいらは、対抗形でコンピューター将棋が強い理由とは、

研究が先行しているコンピューターチェスの技術を最大に参考に出来るから

だと思っている。 基本的に振り飛車の玉周辺の駒はパターンが少なく(固定化されやすい)

それに対応する駒の配置を考えれば良いというのは計算力を最も発揮しやすい

部分だと思っている。

佐藤さんの継ぎ歩の見落としは相居飛車なら良くある手筋なのだが、

対抗形で現れる事は少ないのでそのせいなのかな?と思った。

振り飛車党の棋士の活躍は電王戦では厳しいだろうが、

居飛車の様な感覚で振り飛車をやっている藤井九段がどう指すかには興味がある。

 

◆第3局 ○豊島将之七段vs●YSS

大会開始前に最も勝つ確率が高いと思われていた棋士が豊島七段で、

実際、前評判通り勝った訳だが、

△62玉については【将棋】 ソフト貸し出しの是非 - mgudn'sでも書いたが更に一言。

 

第三局終了後、 菅井、豊島が△62玉型を採用して勝利を収めて

コンピューター将棋から学んでいると思われがちだが、

 

実は、優勝賞金1000万の大会の決勝戦で羽生三冠が△62玉を指して勝った

事が先にあって、コンピューター将棋が△62玉を指すからという以前に

棋士なら必ず考えておかないといけない形ではあったのだ。

2014年2月8日 決勝 羽生善治三冠 対 渡辺明二冠|第7回朝日杯将棋オープン戦

豊島さんに関しては、午前中に羽生三冠と対局して敗退。 

決勝はこの対局の解説も一部行っている。

 

おいらは大方の予想とは違って豊島さんは負けると思っていた。(スイマセン<(_ _)>)

理由として、普段の彼はじっくりした指し方を好み、じわじわ優位を拡大して勝利を収めている

印象を持っていたので、こんな激しい将棋で戦うとは思っていなかった。

菅井さんがそのタイプだと思っていたので、豊島さんには良い意味で裏切られた。

 

◆第4局 ○ツツカナvs●森下卓九段

第三局とは逆に戦前に一番分が悪いと思われていた森下さんだが、

おいらは良い勝負になると思っていた。

理由は単純明快。 タイトル戦の経験があるからだ。

一般棋戦と比較してタイトル戦は関わっている人数がべらぼうに増える。

前夜祭に始まって解説会やお世話になる宿の関係者や観戦記者などなど。

そういった周りの期待や思惑を感じた上で、自分の実力を出し切る事は

経験が必要なのだ。

終局後の盤・駒使用の是非はともかく 言ってる内容は他の何人かが同じ事を言っている。


米長邦雄永世棋聖インタビュー 第2回将棋電王戦 ‐ ニコニコ動画:GINZA

  9:20秒頃からの発言 菅井五段の10年後には人間の方が強い発言、

渡辺二冠の 今のTOP棋士が技術的に5割勝てない状況は想像できない

が思い浮かぶ例。

 

要するに、コンピューター将棋は強いんだけど、現状、プロ棋士が知らない

(見落としている含む) 手法があってそれを理解する事で、技術的に

引き離される一方になるとは思えない と言っているのだ。

森下さんは更に強気で今までの技術だけでも十分に勝てると思っている

と言ったに過ぎない。

 

◆第5局 ●屋敷伸之九段vs○Ponanza

 ポナンザの△16香や△79銀の攻めや敗着となった81成香がクローズアップされているが

実際、屋敷さんの最大のミスは53手目の65桂だったと思う。

跳ねた桂馬をただで取られてしまった訳で、その後に94歩と端攻めをするのなら

桂馬は85の方が効いている。

ミスと認めた上で、それでも攻めるなら端しかなかったのかも知れないが、

その後の展開でも形勢は難しいと言われている以上、52手目までは屋敷優勢だった事

までは確定したと言って良い。

 

電王戦第5戦。

2014-04-12 | 将棋
 

ニコ生に出た後は将棋会館に行って検討していました。△16香や△79銀など、人間には浮かばない手がいくつか出ました。これが最善だったかどうかは今は分かりませんが、とんでもないものを見た、という気分です。詳しくは取材を受けたりすると思いますし、週刊新潮のコラムでも取り上げる予定です。

 

 

 

また、角を取って成香が玉を追い寄せた末の△79銀は

【将棋】 Ponannzaの作り方 - mgudn's でも述べたが玉の回りの駒を取る事を優先する

ポナンザの癖(トータルバランスでの特徴)が出た指し手だったと思っている。

 

渡辺二冠の 『 とんでもないものを見た 』 という発言を変な切り取り方をしている記事も

見かけましたが、人間との感覚の違いを指摘している発言だと思われる。

特に△79銀はこう考えれば良い。

 

二人で殺し合いをして、相手(屋敷玉)を逃げ場の無い隅に追いやっている状況。

手元にはナイフ(銀)、足元には石礫(歩)この時に

先にナイフを投げる(△79銀)のは無いんじゃないの?と渡辺二冠は言っている訳だ。

ナイフが必ず当たって相手を倒せるならまだしも、避けられる(97玉)しねぇ。

それなら先にバリケード(△96歩)を作って更に追い詰めたり、少し離れた場所にある

拳銃(角⇒馬)を手元に持ってくる方が先なんじゃないの?

ポナンザは世界最強クラスと聞いていたのに、こんな戦い方を選ぶんだぁ・・・って感じ。

 

そりゃ 『 とんでもないものを見た 』 って言うと思うわww

 

後、△16香に関しては、攻めの手ではなく、受けの手で見た場合、

73手目の段階で、屋敷さんの持ち駒の飛車二枚を有効に使えそうなスペースは無く

間駒要員の桂馬は使い辛い。

 

 

さて、第三回電王戦を見て感じた事は、やっぱり技術的な勝負では

プロ棋士とソフトはかなり似通ったレベルにいるという

おいらの戦前の予想から1ミリも変動が無かった。

間違いなく言える事は、解説に来ていた船江さんのコンピューター将棋が指してくるであろう

手の予測が、格段に上がっていた事である。

 

 開幕以前にルール作成について

電王戦ルール - mgudn's で書いたが、やっぱりというか、当然というか

f:id:mgudn:20140421201402j:plain

 これが実現された。

なので、当然ながらクラスタ化をOKする電王戦はタイトルホルダーとの番勝負という

スペシャルイベントをやらない限り無い。

 

コンピューター将棋の特徴を電王戦参加棋士以外にも、それなりに理解が進んでいる

状況なのは間違いない。

しかし、出た棋士と出ない棋士との認識はまだ大きく、この差が少なくなる様

連盟には手を打って欲しいものだ。

具体的に言うと、練習対局で出場棋士が逆転負けをしたと感じた棋譜

収集しておいて、棋士間だけで良いので公開すると良いと思う。

 

そここそが、棋士が知らない手筋が埋もれている可能性が非常に高く、

棋士のサポートと言う意味ではかなり大きい部分になると思う。

それは公表する必要は無く、イベントで棋士がコンピューター将棋の指し手について

語ったりする際に資料として一部使ったりすれば良いと思う。

 

当然だが市販のソフトとの対局まで範囲を広げる必要は無い。

 

前回の阿部さんの取り組みや今回の豊島さんの対応はプロとして

素晴らしいとは思うものの、負担が大きすぎる様に思う。

連盟として出場棋士に負担を軽減する策は是非取って欲しい。

場を整えて後は、対局者にお任せという対応では足りないとおいらは思う。

通常、技術を習得するに当たっては長い年月を要する。

個人に任せて技術習得を促すのでは、コンピューター将棋の進化に追いつける訳が

ないので、逆転負けの棋譜棋士の共有財産にするべきだと述べたのである。

 

 

電王戦は、将棋に興味の無かった人にも訴えれたコンテンツなので、

従来の様な書籍によるものだけではなく、その場で質問も受け付けれる

将棋イベントでこそ話題にするべきで、棋士の対策の考え方やコンピューター将棋の

具体的な良さを語る場を、連盟主導で開催するべきだと思う。

又、その際にはソフト開発者も可能なら一緒に出て頂いたりして、共存共栄の形を

模索しつつ、その過程も広く知らしめるべきだと思う。

 

 

大事な事は、 違う技術を持った強いソフトが現れたのでプロ棋士全体が

その技術を解明したいと望んでいる事を強く訴えるべきだと思う。

勝敗が重視される事は重々承知しているが、プロ棋士として

我々が知らない将棋の技術が有る事を知る機会が無くなる事の方が耐え難い。

だから次回も電王戦を行う! ぐらいの事を谷川会長に言って欲しいものです。

 

その上で、今は曖昧になっている対局時の電子機器の持ち込みに関する

規制をきっちり作る事も必要になって来ているでしょう。

 

将棋は最終的に自分の予想しない展開になるので、TOPの棋士や、TOPを目指している

若手の棋士カンニング的な事をやる事は無いでしょうが、

(そんな事をやれば困った際にすぐ頼りたくなってしまうでしょうから)
ソフトは中位以上と言ったからには、下位の棋士に関しては有効だと認めたも同然なので
なんらかの施策は必要でしょう。

 

単純にどちらが勝つのかとか、前回と合わせて2勝7敗1分け  なのだから負けを認めろ

だとか、タイトルホルダーを出せ  などという意見がある中で、勝敗だけに

スポットを当てる手法ではこの先長く続ける事は出来ない。

 

連盟の舵取りにも注目したいと思います。

【将棋】 ツツカナの作り方

これまで、ツツカナの事をプロ棋士は 『 筋が良い 』 と何人かが発言している。

それと電王トーナメントで長考から詰みを発見した事実とを併せて、

ツツカナのプログラムの中身を考えてみる。

 

ツツカナはコンピューター将棋選手権の中でも異質で、

TOPクラスのソフトがPCを並列に繋いで読みを深くしている時代でも

ノートパソコン1台で出場していた。

 

それでも総合で上位に居る事実は何を表しているかと言うと、

他のソフトと比べて何か違うアプローチをしているのであろう。

 

例えば、相掛り や 横歩取り で現れる 24歩 ⇒ 同歩 ⇒ 同飛車

の場合一般的なソフトが 

①24歩 で読む ②同歩で 相手側の応手を読む ③同飛車 で再度読み直す

作業をしていると思うが、ツツカナは①駒がぶつかった局面 ②それの応手 ③清算した局面

こういう考え方に近いのだと思う。

 

具体的に言うとツツカナというソフトは、駒がぶつかった場合、その駒を取って悪くなるか

を探索の基本にしている様な気がする。

 

駒を取って悪くなる様なら取らずに他を探す。

中終盤でぶつかった駒の枚数が多くなっても基本はどの駒の清算を優先するかを

考えているのであろう。

言い方を変えれば駒の効率を重視した設計になっていて、

ツツカナが穴熊を使う展開をあまり見ない事もそれを裏付けると考えている。 

 

処理の高速化というのはプログラムを省略したり

高速化用のプログラムを実装したりとある程度、道筋は出来ていて(他分野の流用)

そこを変えたからプロ棋士から褒められるという事は起こらないと思うので、

探索の方法が他のソフトと違うのではないか。

 

そして私の推論に近ければ、計算量はかなり減ると思うんだがどうだろう?

 

又、 ① ⇒ ③ ⇒ ⑤ ~ の様に局面毎の比較で点数が上がって行く場合には、

更に読みを深める事をプログラムに加えていて、

それで長考から詰みを探す作業が出来ている様に思う。

終盤で詰みを見つける際にニコ生等の解説で出てくる、

△△の地点でばらして詰むかどうか考える様な事を行えているのではないか 

  ↑ココは似て非なるアプローチだった 一丸さんHP見た結果

 

以上、筋が良いと言われる事と長考から詰みを発見した事実

 (探索の深さを一局中に変える事が出来る)を基に考えると、この様な結論が導き出された。

 

合っているかは当然知らねぇw

 

UPする直前に ” トーナメント ツツカナ 棋譜 ” で検索して見直そうとした所

一丸さんのHPを発見し

第二回電王戦 QandA - コンピュータ将棋開発中

どの手をどの程度深く読むかをプロの棋譜をもとに自動調整している。

という事でした^^;;;

 

という事で、余り意味の無い事を考えてしまいましたが、

ツツカナというソフトの特徴として

駒の取り合いで悪くならない事を重要視している。

それは攻める場合も受ける場合も同じである。

駒の連結より効率・バランスの方が上位に来る。

従って穴熊を選ぶ事は少ない。

 

こんな感じでしょうか?

間もなく第四局開幕!!